「結露が発生しにくい家に住みたい」
冬の寒さが厳しい近年、窓ガラスなどで見る結露が気になりますよね?
結露が発生しないようにするためにはどうすれば良いのか?この記事では、結露のしない家を実現するためのポイントをご紹介します。マニアックな話になってしまいますので興味ないかたはスルーしてください(笑)
- この記事でわかること
- 結露の仕組みをひも解く“露点”の話
- 窓だけじゃない! 壁・押し入れ・床下まで対策する理由
- 結露させないための温度と湿度コントロール術
- コントロールしなくても出来る防湿層&断熱材の選び方
1|結露の原因はたった1つ──“露点”を超えるか否か
結露の原因はとてもシンプルです。結露する条件が揃えば結露するし、結露する条件にならなければ結露しません。とても当たり前のことを書いてますが、これがとても重要なのです。結露は「なんとなく」や「勘」では発生しないので、「結露する条件はなにか?」を知っておくことが重要なポイントになります。結露する条件は1つ。「露点になるかどうか」です。「温度差があるから結露する」とよく聞きますが、これは、表現としては正確ではありません。温度差があっても露点にならなければ結露しませんし温度差が無くても露点になれば結露します。例えば窓ガラス。部屋Aの室内空気の温度が23℃で相対湿度が50%の時には、露点は12℃窓ガラスの室内側の表面温度が12℃以下になると結露して、水滴が付きます。この場合の温度差は11℃です。部屋Bの室内空気の温度が23℃で相対湿度が70%の時には、露点は17.2℃窓ガラスの室内側の表面温度が17.2℃になると結露して、水滴が付きます。この場合の温度差は6℃です。温度差がなくても露点になれば結露します。湿気が少なくても露点になれば結露しますし、高温でも露点になれば結露します。湿気が多いだけでも結露するわけではありませんし、温度が冷えただけでも結露するわけではありません。それほど「露点」というポイントが結露するかどうかの境目なのです。※露点は、温度と湿度の関係で刻々と変化します。
温度差があっても露点未満にならなければ結露しない。逆に、温度差がなくても露点を割れば結露する──鍵は“温度×湿度”のバランスです。
2|“結露しない家”より“結露しても乾く家”を目指す
日本は四季・台風・長雨と湿度変動が激しい国。完璧に結露ゼロを狙うより、「結露してもすぐ乾く構造」を仕込む方が現実的で、住まいも⻑持ちします。
STEP1|温度管理(誰でも今すぐできる)
- 冬:予備暖房で夜明け前の冷え込みをブロック
- 夏:冷やしすぎず、露点より室温を上げる
- 太陽熱を取り込むパッシブ設計で暖房費をカット
STEP2|防湿層&断熱材(設計・工事の領域)
断熱材だけに頼ると「濡れて性能ダウン→さらに結露」の負のループが起きがち。そこで連続した防湿層で湿気プロテクト+乾きやすい素材採用が鉄則です。
STEP3|外皮断熱の底上げ
- 壁・屋根・基礎・窓──外気と接する全パーツを高断熱化
- 熱橋(ヒートブリッジ)を断ち切り、表面温度を底上げ
STEP4|“乾かす”構造でとどめを刺す
万が一結露しても速攻で乾かす設計が最後の砦。外壁通気層・小屋裏換気・床下換気を整え、太陽熱と通風で湿気を逃がします。
3|まとめ|結露対策=温める×守る×乾かす
窓を温める・室温をキープする──まずは日常の温度管理からスタート。
そのうえで、防湿層+高断熱+通気層を組み合わせれば、「結露しても腐らない・カビない家」が手に入ります。
設計プランやご予算は住まい手ごとに千差万別。
「どのレベルまで対策するか?」は、ぜひ設計者と納得いくまで話し合ってみてください。
結露フリーな快適空間で、家族の健康と住まいの寿命を守りましょう!
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